四国新幹線の推進「ハードル高い」 岡山県知事のバッサリ発言にみる、埋めようのない四国・岡山の温度差

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岡山県の伊原木隆太知事が、記者会見で四国新幹線の推進に慎重姿勢を示した。四国4県が足並みをそろえて岡山ルートでの建設に動き始めた矢先だけに、冷水を浴びせた格好だ。

岡山県知事、新幹線「ハードル高い」

四国(画像:OpenStreetMap)
四国(画像:OpenStreetMap)

 岡山県の伊原木隆太知事が、記者会見で四国新幹線の推進に慎重姿勢を示した。四国4県が足並みをそろえて岡山ルートでの建設に動き始めた矢先だけに、冷水を浴びせた格好だ。

「岡山から大阪へ新幹線で約45分だが、岡山は大阪の通勤圏になっていない。新幹線を普通の人が普通の用途で使用するには、ハードルが高いのではないか」

 岡山県庁で7月上旬、開かれた伊原木隆太知事の記者会見。記者から四国新幹線に対する質問を受けた伊原木知事は冷めた見方を示した。

 四国側は淡路島ルートを望んでいた徳島県が知事の交代で岡山ルート推進に方向転換し、4県が一致して要望活動に入っている。四国の地方自治体、経済団体で組織する四国新幹線整備促進期成会が、岸田文雄首相に基本計画路線から整備計画路線への格上げを要望したほか、8月に東京都内で期成会の大会を開き、機運を盛り上げる計画だ。

 四国としては岡山県も巻き込み、関係5県の足並みをそろえたいところだが、伊原木知事は

「新しいシステムを導入する際はメリット、デメリットを考えなければならない。JR瀬戸大橋線がそんなに高くない運賃で岡山と香川を結び、非常に便利なだけに、並行在来線の問題を心配している」

と懸念材料を指摘した。

 岡山県はこれまで四国新幹線岡山ルートについて、整備計画路線への格上げを検討する際に行われる国の法定調査に協力するが、賛否は法定調査の結果を見て判断するとしてきた。岡山県県民生活交通課は

「今回の知事発言もこの方向に沿った内容」

と説明する。

 愛媛県交通政策室や香川県交通政策課は

「岡山ルート実現に岡山県の協力が欠かせない。期成会と足並みをそろえ、岡山県にお願いをしていきたい」

などと語ったが、伊原木知事の発言は四国と岡山県の温度差をまざまざと見せつけた格好だ。

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