率直に問う 「四国新幹線」は本当に必要か? 喧伝される“時短メリット”への根本的懐疑
いま四国4県では新幹線実現を求める声が強まっている。4県が四国新幹線を「岡山ルート」で建設することを求めていくことで一致したためだ。しかし、新幹線に対する温度差もある。四国新幹線は地域振興のために本当に必要なのか。それとも無用の長物なのか。
4県紙の論調

いま四国4県では新幹線実現を求める声が強まっている。4県が四国新幹線を「岡山ルート」で建設することを求めていくことで一致したためだ。しかし、新幹線に対する温度差もある。四国新幹線は地域振興のために本当に必要なのか。それとも無用の長物なのか――。
四国新幹線をめぐる4県の温度差は、各県の地方紙の紙面からも読み解ける。四国には、
・四国新聞(香川県)
・徳島新聞(徳島県)
・愛媛新聞(愛媛県)
・高知新聞(高知県)
という新聞社がある。各社とも系列の放送局を持ち、県のオピニオンを担っている。そのような4紙の論調には、いささか違いがある。4紙とも共通しているのは、四国新幹線実現に向けた経済界の動きを取り上げていることだ。違いは
「否定的な情報の有無」
である。
四国新聞・徳島新聞の記事では四国新幹線による経済効果や人口増といったプラス面しか扱わない。愛媛新聞や高知新聞も、四国新幹線に否定的な論調の記事はない。にもかかわらず、投書欄には
「読者の声」
として四国新幹線に否定的、あるいは消極的な意見が定期的に掲載されている。