「ナチスは良いこともした」という虚妄 通説「アウトバーン建設 = 失業率低下」もほぼ間違いだった

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一般的にナチスが行った「良いこと」を俎上に載せながら、「それは本当に良いことだったのか」を確かめる。アウトバーン、フォルクスワーゲンなどについても言及する。

なぜ失業者は減ったのか

アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所(画像:写真AC)
アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所(画像:写真AC)

 では、どうして失業者は減ったのだろうか.

 大きな要因として、ナチ政権が誕生する前から景気が回復傾向だったこと、ナチ政権が

・若者
・女性

を労働市場から退出させる政策を取ったことのふたつがあげられる。

 18歳以上の若者を半年間、道路建設や干拓工事、農村の補助労働などに従事させる労働奉仕制は年30万~40万の若者を吸収する効果があり、さらに1935年からの徴兵制の導入によって、結果的に多くの若者が労働市場から去ることになった。

 また、女性を家庭に戻す目的で導入された結婚奨励策、特に結婚したばかりのカップルに1000ライヒスマルク(現在の価値でおよそ71万4000円)が貸与され、ひとり子どもを産むごとに4分の1が返済不要となる結婚資金貸与制度は女性就労者を削減することにつながった。

 つまり、失業者の大幅な減少は、

「若者や女性が労働市場からいなくなった」

ことで達成された部分も大きいのだ。

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