トラックの後輪に「シングルタイヤ」が全然普及しない理由
トラックの後輪は、ほとんどがダブルタイヤだ。しかし最近、シングルタイヤを装着したトラックを見かけることがある。今後普及するのか。

トラックの後輪は、ほとんどがダブルタイヤ(1軸の片側にふたつのタイヤを備え付けたもの)だ。
2軸のトラクターヘッド(トレーラーをけん引するための車両)には四つの後輪がある。大型10輪車は八つある。しかし最近、シングルタイヤを装着したトラックをときどき見かけることがある。大型車も今後、シングルタイヤになるのだろうか。それともダブルタイヤのままなのか。
3軸のダブルタイヤのシャシーだと、ホイール自体の重量を12本から6本に減らせ、軽量化は積載量の増加につながる。路面抵抗もふたつからひとつに減り、タイヤの接地面積も小さくなるため、燃費の向上にも役立つ。
タイヤの本数が減るため、摩耗や劣化による交換コストの削減にもつながる。ただし、タイヤ1本あたりの荷重が増えるため、タイヤの摩耗は多少早くなる。
輸送車の荷台側にダブルタイヤを採用しているのは、1本のタイヤがパンクしても、残りのタイヤで走行できるようにするためだ。走行の安定性を保つため、複数の車軸と車輪を使い、タイヤの接地面積を増やし、荷重を分散させる。例えば、総重量25tの11t車(10輪車)の場合、各タイヤは2.5tを支えている。