「訪日中国人」のマナーにネット民怒り心頭も 昭和時代の日本人も似たことをしていた、不都合な真実
日本人もかつては海外旅行のマナーが悪かった。よく引き合いに出されるのは、高度成長期から1980年代にかけての振る舞いだが、本当にこの期間だけだったのだろうか。
中国人団体旅行解禁とその反応

中国政府は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて制限していた中国人の日本への団体旅行を8月10日から解禁すると発表した。
これを受け、日本の関連業界は中国人観光客の需要回復に期待を寄せている。しかしその一方で、ネット上では、一部の中国人観光客が日本で見せていた「マナーの悪さ」が再び指摘されている。関連記事のコメントを見るに、このようなものであふれかえっている。
実際に腹立たしい体験をした人もいるのだろう。それは理解できるが、人種差別的な行き過ぎたコメントも少なくない。
ただ、残念ながら日本人もかつては海外旅行のマナーが悪かった。よく引き合いに出されるのは、高度成長期から1980年代にかけての振る舞いだが、本当にこの期間だけだったのだろうか。
文献を調べてみると、次のようなことがわかった。それは
「明治時代」
からだった。
1911年の言論誌に書かれた事実

当時の言論誌『日本及日本人』1911(明治44)年1月15日号には、
「外遊邦人の体たらく」
と題された記事が掲載されている。早速引用しよう。
「東洋体義の国と呼ばれた評判にも似ず、田舎の成り上がり者たる本色を巴里、倫敦、紐育にも振りまわす。(中略)聊か躾けタシナミのある人間ならば常識でわかる事をも守らぬ。スープや珈琲を音高く啜る。唇を開いたまま食物を噛むから豚に類する事をやる。大口に頬ばつて猿の真似をする。(中略)これで日本上流の紳士、教育のある大和民族の代表者として両半球を横行する」
いうまでもなく、明治時代に海外旅行ができたのは相当な上流階級だけだった。その上流階級でさえ、ひんしゅくを買うような振る舞いをしていたのだ。この事実だけで
「○○国の人はマナーが悪い」
などとは、口が裂けてもいえないだろう。