2年半で死傷者1400人 英国の電動キックボード「事故リポート」から、日本が真剣に学ぶべきこととは【連載】牧村和彦博士の移動×都市のDX最前線(13)
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英国政府は2020年1月から2022年6月末までのあいだ、電動キックボード関連の死傷事故データを公開した。死亡事故は死亡者数に12人上っている。
朝夕に集中する事故
死傷事故の中身をもう少し見てみると、女性よりも男性が多く、特に10代から30代までが多くなっている。事故の発生時刻のピークはふたつあり、ひとつ目は朝の午前8時台、ふたつ目は夕方の16時台が多く、
「朝夕の移動が集中する時間帯」
での事故が多くなっているようだ。
利用者の全体数や全体像が不明であることから、利用者全体の傾向と死傷事故との関係比較は難しいとリポートでもコメントしているものの、日本でも歩行者や自転車の交通量が多くなる夕方の時間帯での利用は十分注意したいところだ。
英国では2021年よりも2022年に増加傾向が顕著であり、2020年からシェアリングサービスを実証実験として解禁し、パンデミック(世界的大流行)後の移動需要の回復により、事故が増加傾向にあることも読み取れる。
英国は2020年から実証実験として、政府が許可した全国の地域(26地域)においてシェアリングの事業が許可され(保有は原則許可されていない)、公道での走行が可能となっている。
18歳以上の免許保有者がアプリから利用でき、例えばロンドンであれば、最高速度は原則12.5マイル(約20km/h)以下に制限されている(他の地域では15.5マイル(約25km/h)の最高速度が一般的)。走行エリアによっても最高速度が厳格に規定され、場所によっては自動的に車両がさらに減速することもある。なお英国では、歩道の走行は禁止されている。