2年半で死傷者1400人 英国の電動キックボード「事故リポート」から、日本が真剣に学ぶべきこととは【連載】牧村和彦博士の移動×都市のDX最前線(13)

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英国政府は2020年1月から2022年6月末までのあいだ、電動キックボード関連の死傷事故データを公開した。死亡事故は死亡者数に12人上っている。

日本で求められる骨太な安全対策

日本の電動キックボード(画像:写真AC)
日本の電動キックボード(画像:写真AC)

 欧米では、事故リスクを極力小さくするために、この数年間で車道とは分離した専用通行帯の整備を積極的に進めながら、交差点部などでは自動車が速度を落とさないと左折できない簡易な構造に変更するなど、自動車とマイクロモビリティとが衝突した際に重傷化しない道路デザインに取り組んできた。

 また、自動車とマイクロモビリティの速度差を小さくするよう、市内全域を最高速度30km/hに規制するなど、

「異次元の交通政策」

を進めている。

 地域で事業を行う事業者に対しても、道路使用許可と合わせて使用料を聴取し、日々の活動(車両、ポート、トリップ、売り上げなどのデータ)は、API等を通して行政に報告する官民データ連携にも積極的だ。

 日本も導入を進める地方自治体には、気候危機と向き合い、このような取り組みに対する覚悟と骨太な安全対策の実践が今、問われているといえるだろう。

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