クルーズ船に乗る「富裕層」マネーは、本当に寄港地の“救世主”となれるのか

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コロナ禍で大ダメージを受けたクルーズ船だが、現在はそのインバウンド需要に期待が高まっている。懸念点はないのか。

コロナ禍で大ダメージ

クルーズ船(画像:写真AC)
クルーズ船(画像:写真AC)

 コロナ禍で大ダメージを受けたクルーズ船だが、現在はそのインバウンド需要に期待が高まっている。

 感染拡大が始まった2020年初頭まで、クルーズ船は寄港地から大きな期待を持って迎えられる存在だった。なぜなら、日本に入国した外国人旅行客数(訪日クルーズ旅客数)が順調に推移をしていたからだ。

 国土交通省の資料によると、2013(平成25)年に17万4000人だった訪日クルーズ旅客数は、2015年には111万6000人まで急増。ピークの2017年には252万9000人になった。その後も「爆買い」が見込める中国発のクルーズ船の増加が見込まれ、インバウンド需要には大きな期待が寄せられていた。

 ところが、コロナ禍によって水泡に帰した。2020年、訪日クルーズ旅客数は12万6000人まで減少。そして2021、2022年はゼロとなった。

 ちなみに、2022年の寄港回数は720回で、前年度比71.4%だが、いずれも日本の会社が運行するもので、インバウンド需要はゼロだった。

 そこから一転、新型コロナウイルスが五類に変更されるなどの規制緩和で、2023年は回復に期待が寄せられるようになっている。

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