中国頼みのクルーズ船 インバウンド再開で「8割依存」の構図を変えられるか

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インバウンドの受け入れが再開しつつある昨今、大型クルーズ船による旅客も期待されている。課題はあるのか。

訪日クルーズ旅客の8割は中国

大型クルーズ船のイメージ(画像:写真AC)
大型クルーズ船のイメージ(画像:写真AC)

 2022年6月1日に訪日外国人の入国上限が1日当たり1万人から2万人に引き上げられた。6月10日には、世界の国・地域を新型コロナウイルスの感染状況で三つのグループに分け、最もリスクの低いグループはワクチン接種の有無を問わず、その次にリスクの低いグループは3回目のワクチン接種を条件に、添乗員付きのツアーに限定して観光目的の入国が認められた。徐々にだがインバウンドの受け入れがはじまっている。

 周りを海に囲まれる島国のわが国では、インバウンドは空と海からやってくる。コロナ感染拡大以降、観光地ではインバウンドの獲得のために、行政、観光団体、宿泊施設、集客施設が一体となってプロモーション活動を強化し、海外からの直行便の誘致、既存直行便の増便・増席、大型クルーズ船の誘致などの活動を行った。

 特に大型クルーズ船は収容できる旅客数が2000人以上と非常に動員力が大きく、寄港数によって地域の観光産業の業績が左右されるほどである。港湾のない自治体でも寄港する地域と連携して誘客する取り組みが見られた。

 国土交通省によれば、コロナ感染拡大前である2019年のわが国港湾へのクルーズ船の総寄港回数は2866回(船内で1泊以上するクルーズ船の寄港回数・日帰りクルーズは対象外)、その内外国船社運行のクルーズ船は1932回、日本船社運行のクルーズ船は934回。わが国へのクルーズ船で入国した外国人旅客数(訪日クルーズ旅客数)は213.5万人。

 訪日クルーズ旅客数を発国別に見ると、中国中部(上海など)が89.9万人でシェア41.8%、中国北部(天津など)が44.6万人で20.7%、中国南部(香港など)が39.5万人で18.3%となっている。中国だけで全体の80.8%と大半を占めていることがわかる。

 地理的に中国に近い九州・沖縄エリアでクルーズ船の寄港が活発であり、国内港湾における寄港回数の1位は那覇港で260回、2位は博多港で229回、3位は横浜港で188回となっている。

 その他にも、寄港回数上位10位内には長崎港、石垣港、平良港、鹿児島港、佐世保港といった九州・沖縄エリアの港湾が数多くランクインしている。近年、九州・沖縄エリアでの観光産業が活発なのは大型クルーズ船の寄港によるところも大きい。特に沖縄はアジア圏のリゾート地として人気が高いことをうかがわせる。