「マスク拒否」ばかり論じるな! ピーチ運航妨害の主題は「航空法違反」と安全阻害行為だ
ピーチ・アビエーション運航妨害とその有罪判決が話題となっているが、この件にマスクはまったく関係ない。あるのは航空法とそれを脅かした安全阻害行為だけだ。
航空法違反は重罪

航空法違反は重罪である。日本でも罪は重いが、他国であれば国にもよるが容赦がない。
特に国際的な緊張状態にある国や政情不安の国では、ハイジャック犯やテロリストとみなされ、他の乗客の命を脅かすとして身柄拘束の上で逮捕、下手をすれば私服警察官や警備員、あるいは機内配備の軍人に射殺されることもある。古くはエル・アル航空219便(1970年。特殊部隊により射殺)やエチオピア航空(機内の航空保安官により刺殺)事件など数多い。
そうした国々で機内の安全のため、武装して旅客機に乗る搭乗員を「スカイマーシャル」とも呼ぶ。
記憶にあるところでは9.11「アメリカ同時多発テロ事件」直後は本当に厳しく、空港内や搭乗時のセキュリティーチェックはもちろん、機内にも多数のスカイマーシャルやそれに類する武装警備員が同乗していた。数百人の命をあっという間に奪う航空機事故、9.11では衝突したビルや地上の一般市民、警察や消防なども含め約3000人が犠牲となった。
世界的に航空法が厳しいのは当然のことで、事によってはその国の国体すら転覆させかねない。航空法違反の「国際的な常識」とはそういうものだ。