47分の大遅延! 山手線「せき払い」トラブルに見る、コロナ禍の悲しき日本人の姿

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先日、乗客のせき払いが原因で、山手線が遅延したトラブルがインターネット上で話題になった。このようなトラブルを見かけたら、どうしたらよいのだろうか。

6月17日早朝に山手線で発生

電車内のイメージ(画像:写真AC)
電車内のイメージ(画像:写真AC)

 先日、乗客のせき払いが原因で、山手線が47分にわたり遅延したトラブルがインターネット上で話題になった。

 ことが起こったのは、6月17日午前5時半ごろ。JR山手線田町~高輪ゲートウェイ間の外回り電車内で男性がせき払いをしたところ、女性に注意され口論に発展。男性が非常停止ボタンを押し、高輪ゲートウェイ駅で駅員が乗り込み、ふたりは品川駅で降ろされた後、その場を立ち去ったという。この影響で、約2000人の乗客に影響が出た。

 電車内にトラブルは付き物だが、電車が遅延して乗客に影響が出ることは、いったいどの程度起きているのか。国土交通省のデータを見ても遅延理由は記載されていないし、鉄道会社もそのような資料を公開していない。

 そんな計測を試みたのが『東洋経済四季報速報』2018年2月20日付の記事だ。

 この記事では「東急線運行情報」という東急の公式ツイッターアカウントを使って、過去2年間のツイートから、15分以上の遅延の原因を分析している。その結果、2016年2月7日から2018年2月6日までの間で、田園都市線では

・15分以上の遅れや運転見合わせ:91件
・月平均:3.8件

発生しているとわかった。

 遅延理由は、

・人身事故:22件
・乗客救護:8件
・線路内立ち入り:8件
・線路内安全確認:6件

となっている。

 乗客同士のトラブルによる遅延は、なんと1件だけ。これは雪、ポイント故障と同じで、極めてレアケースだった。

 東急線運行情報では15分以上の遅延のみをツイートしているので、乗客同士がトラブルになっても、10分以内に電車から下ろすなどして解決しているのかもしれない。そうだとしても、乗客同士のトラブルが原因で列車が遅延することは明らかに少ないといえる。

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