「マスク拒否」ばかり論じるな! ピーチ運航妨害の主題は「航空法違反」と安全阻害行為だ

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ピーチ・アビエーション運航妨害とその有罪判決が話題となっているが、この件にマスクはまったく関係ない。あるのは航空法とそれを脅かした安全阻害行為だけだ。

航空法「安全阻害行為等の禁止等」とは何か

ピーチ・アビエーションのウェブサイト(画像:ピーチ・アビエーション)
ピーチ・アビエーションのウェブサイト(画像:ピーチ・アビエーション)

 釧路から関西空港行きのピーチ・アビエーション126便の機内で指示に従わず、さらに客室乗務員の女性を負傷させて運航を妨害したとして、傷害罪や威力業務妨害罪などの罪に問われた男(36歳)の裁判が12月14日、大阪地方裁判所で開かれた。検察側は懲役4年の実刑を求めたが、判決は懲役2年、執行猶予4年となった。

 この男はほかにも罪状があるのだが、本稿では客室乗務員に対する

・傷害罪と威力業務妨害罪
・それに起因する航空法違反(安全阻害行為)

に本稿を絞る。

 男のこうした行為は航空法「安全阻害行為等の禁止等」によって禁止されている。

第七十三条の三 航空機内にある者は、当該航空機の安全を害し、当該航空機内にあるその者以外の者若しくは財産に危害を及ぼし、当該航空機内の秩序を乱し、又は当該航空機内の規律に違反する行為(以下「安全阻害行為等」という。)をしてはならない。

第七十三条の四 機長は、航空機内にある者が、離陸のため当該航空機のすべての乗降口が閉ざされた時から着陸の後降機のためこれらの乗降口のうちいずれかが開かれる時までに、安全阻害行為等をし、又はしようとしていると信ずるに足りる相当な理由があるときは、当該航空機の安全の保持、当該航空機内にあるその者以外の者若しくは財産の保護又は当該航空機内の秩序若しくは規律の維持のために必要な限度で、その者に対し拘束その他安全阻害行為等を抑止するための措置(第五項の規定による命令を除く。)をとり、又はその者を降機させることができる。

 特にこの件に関連する箇所を抜粋したが、検察はなんとしてもこの男を実刑に持ち込みたかったことが伺える。一概には言えないが執行猶予はおおよそ3年程度の懲役につくもので、4年を求刑ということは「実刑であるべき」という検察の意思表示だろう。

 それはもっともな話で、機内で暴れて執行猶予、まして初犯だからと男の主張通りに無罪では、航空法違反という航空会社のみならず、重大脅威に対する国家としての示しがつかない。

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