安さ自慢の「高速路線バス」 欧州でも若者に大人気、でも肝心の「座り心地」はどうのか? 実際に乗ってみた
都市間の移動手段として人気を誇る高速路線バス。手頃な料金という魅力で若者を中心に利用者が多い。こうした傾向は欧州も同じようだ。
コンセントや無料Wi-Fiは必須サービス

ヨーロッパでは2013年まで、250km以上の長距離を走る、いわゆる高速路線バスの運行が規制されていた。
さかのぼること1934年、都市間輸送における鉄道との競合を防ぐ目的で、長距離を結ぶ路線バスの運行を規制する法律が生まれた。
以来、約80年近くにわたって都市間を結ぶ路線バスの運行はできなかったが、EUの指令による市場開放で運行が許可され、近年急成長を遂げている。
ドイツ国内の統計では、約250社のバス会社が高速路線バスを運行し、年間2300万人の乗客を運んでいる。今や欧州各地で運行を行っている最大手フリックスバス(Flixbus)は、ヨーロッパ30か国、2500の都市間を結び、2017年には約4000万人の乗客を運んだ。
地球環境戦略研究機関(IGES)の調査によると、こうした長距離路線バスの利用者の半数以上は35歳未満で占められており、特に25~29歳が全体の22%を占めるなど、利用者の中心が若者である点は日本と変わらない。
多くの乗客は、時間の正確さに対してはあまりシビアではない反面、サービスに対する要望は多く、特に若者にとって必要不可欠なスマートホンやタブレットなどの端末充電用コンセントや無料Wi-Fiは必須の装備となっていると言える。
もちろん、価格面でも他の交通機関と比較してかなり安めに設定されている路線が多く、これが多くの若者から支持を得ている要因となっている。