公道はますます危険地帯に? アシスト自転車と見分けが付かない「フル電動自転車」一部免許不要化の現実

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電動モビリティの話題といえば電動キックボードが注目されがちだが、その陰でフル電動自転車もさまざまな議論を呼んでいる。改正道交法により、免許が必要なものと不要なものに分かれる見通しだからだ。

道交法の改正で一部車種は免許不要に

電動アシスト機能を搭載した自転車のイメージ(画像:写真AC)
電動アシスト機能を搭載した自転車のイメージ(画像:写真AC)

 電動モビリティ関連の話題では、電動キックボードが矢面に立つ場面が多い。しかしながら、その陰には「フル電動自転車」の存在が見え隠れする。

 これまでは、フル電動自転車も原付として扱われていたが、道交法の改正によって免許なしで乗れるようになる乗り物のひとつだ。

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 原付として扱われているフル電動自転車は、当然、灯火類や速度計、自賠責保険といったものが必要になる。

 ここで、原付すなわち原動機付自転車という言葉に注目したい。

 自転車とは、人間がペダルをこぐことで前進する人力の乗り物だ。それに原動機を取り付けたものが原動機付自転車である。そして、人間がこぐためのペダルと、動力の源となる原動機の両方が取り付けられたものは、モペットと呼ばれている。

 では原動機とは何を指すのかということになるが、ガソリンを必要とするエンジン(内燃機)だけではなく、電気で動作するモーターもそれに含まれる。

 例えば、電動アシスト自転車のルーツとなったモペットの存在だが、バイクメーカーのホンダや、ヤマハが製造していた。ホンダ「ピープル」というバイクがあるが、この乗り物は、自転車に24ccのエンジンが搭載されたもの。

 自転車の後輪には回転部品が接しており、動力がそこへ伝わり、後輪の回転を補助する仕組みで、電動アシスト自転車の仕組みとよく似ている。

 この仕組みの動力源であるエンジンが、モーターにしたものが電動アシスト自転車だ。

 この乗り物は、出力の強さに限らず、自転車に原動機が取り付けられた乗り物とされており、例えアシスト程度のものだったとしても原付として扱われていたのだ。

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