吉祥寺で何が起きているのか? 30~40代が「3000人流出」 外国人は13%増加! それでも愛されるワケ 再浮上のカギとは?

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地価35%上昇、店舗賃料は月額100万円超も――住みたい街ランキング常連の吉祥寺が揺れている。小売の寡占化、住民層の変化、個性の喪失。人気の裏で進行する“居心地の崩壊”を、データから読み解く。

22%減が示すブランド力の揺らぎ

吉祥寺(画像:写真AC)
吉祥寺(画像:写真AC)

「住みたい街ランキング」で、常に上位に顔を出す街・吉祥寺(東京都武蔵野市)。ランキングを実施する各社で順位にはばらつきがあるが、上位を維持している点は共通している。例えば『日経新聞』電子版(2024年5月15日付け)によると、大東建託の「街の住みここち&住みたい街ランキング」では、吉祥寺は6年連続で首位に立っている。

 なぜ、吉祥寺はここまで支持されるのか。その理由を探るため、リクルートの「SUUMO住みたい街ランキング2025 首都圏版」を見てみよう。この調査では吉祥寺が総合3位に入っており、東京都内では1位に選ばれている。2018年から一貫して3位以内を維持しており、知名度と支持の高さがうかがえる。

 しかし、安定した人気の裏に、不安の影も見え隠れする。実はこの調査において、吉祥寺の得点は年々下がり続けている。2020年には過去最高の1117点(3位)を記録したが、その後は減少傾向にある。2025年にはついに868点まで落ち込み(22%減)、過去最低点となった。

 なぜ点数が下がったのか。この変化の背景を知ることが、吉祥寺が今後も「住みたい街」としての地位を保てるかどうかのカギになる。

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