タクシー運転手の「飲酒運転」は撲滅されたのか? 予期せず検知器が鳴ってしまった、下戸ドライバーの悲劇とは

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タクシー業界の内情を知る現役ドライバーが、業界の課題や展望を赤裸々に語る。今回は、運転手の「飲酒」について。

飲酒運転によるタクシーの事故件数は?

「自動車運送事業に係る交通事故対策検討会報告書(令和3年度」(画像:国土交通省自動車局)
「自動車運送事業に係る交通事故対策検討会報告書(令和3年度」(画像:国土交通省自動車局)

 さて、興味深かったのは、そのニュース記事の下部にあるコメント欄だ。「(昔は)タクシー運転手が(勤務中に)酒を飲んでいるところなどを見かけた」といった書き込みが散見されたのだ。

 中には「最近も見た」というコメントまであり、少なからぬ「いいね」が寄せられていた。

 国土交通省自動車局の「自動車運送事業に係る交通事故対策検討会報告書(令和3年度」によれば、飲酒運転による事業用自動車の交通事故件数(2020年)は計36件。全てトラックによるもので、バスとタクシーは0件だ。

 タクシーの飲酒運転事故について経年変化を追うと、2019年が8件、2018年が6件、2017年が4件、2016年は6件となっている。おおよそ数件前後を推移しているというのが近年の傾向だ。

 実際のところ、現代であっても乗務時間中やその直前に飲酒する運転手はいるのか? 少なくとも筆者の身近には存在しない。

 ただし、もっと以前までさかのぼれば、そのような不届き者がゼロだったとは言い難いかもしれない。

※ ※ ※

 かつて第1京浜の品川で筆者がよく出入りする食堂があった。そこで夕食を食べていたところ、筆者の車の後ろにタクシーを止めて店に入ってきた同業者がいた。見かけない顔だった。

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