SNSで17万いいね「救急隊に食事の時間を!」 大反響の裏にある、隊員たちの過酷過ぎる労働実態
2022年7月、さいたま市消防局のツイッターへの投稿が大きな反響を呼んだ。「救急隊に食事の時間を!」。その訴えの裏にある、現場隊員たちの過酷な労働実態とは――?
いま求められる世間の意識変革

近所なので歩いて病院に向かい、診断は虫垂炎の初期。投薬で問題なしということで、翌日には快癒した。
診断の間、救急治療室で点滴を受けていたのだが、病院は驚くほどに慌ただしい。次々と救急隊が担架で患者を運んできているのがカーテンのすき間から見える。
あちこちから「熱中症で~」「COVID陽性でして~」と従事者たちの会話が聞こえてくる。筆者は軽い症状で済んだが、これとてすぐに診察してもらえる体制を支えているのは「人」である。
「救急隊員が食事をするだけでクレームする人がいる」という話に対して、ネット上では そうしたクレームをする人を許すまじという意見も上がる。
しかし、クレーマーを攻撃したことで事態は変わらない。
搬送の合間に、食事をしたり一服したりしても構わない、という意識を広げること。それによって、多くの消防本部が勤務中のコンビニ利用を認めても問題ないと判断する方向にもっていくことこそが肝要だ。