SNSで17万いいね「救急隊に食事の時間を!」 大反響の裏にある、隊員たちの過酷過ぎる労働実態

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2022年7月、さいたま市消防局のツイッターへの投稿が大きな反響を呼んだ。「救急隊に食事の時間を!」。その訴えの裏にある、現場隊員たちの過酷な労働実態とは――?

東京消防庁、ファストフード店もOK

消防車のイメージ(画像:写真AC)
消防車のイメージ(画像:写真AC)

 もちろん、食事時間の確保のために各地の消防本部ではさまざまな方策を講じている。

 千葉県船橋市消防局では、医療機関の売店や食堂を利用することを可能にしている。対応する病院には「船橋市消防局からのお願い」として、救急隊員が病院で飲食物を購入したり食事をすることに「ご理解とご協力をお願いいたします」という掲示を実施している。

 東京消防庁の対応は、さらに柔軟だ。

「感染防止衣、救急帽及び保安帽を着用しないこと」とした上で、コンビニで買い物して駐車可能な場所で食事をすることに加えて、ファストフード店内で食事を取ることも認めているのだ。

 しかし、そうした柔軟な対応を取っているところは、わずかなものだ。前述の調査時点で、全国160の消防本部のうち医療機関で食事の購入を認めているのが15、コンビニなどの利用を認めているのは、14に過ぎないことも明らかになっている。

 多くの地域で、コンビニで食事を買うことも認められていないのだから、市民の理解が進まないのも当然だろう。

 筆者は2022年7月の3連休中に救急病院を利用する機会があった。急に腹痛に見舞われ、翌日になっても治らないので東京消防庁救急相談センター(#7119)に電話すると救急病院を案内された。

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