いったい何が違う? 航空会社が「LCC」「第3のブランド」を国際線で使い分けるワケ
ANAブランド、2023年度後半デビュー予定

先日のANAホールディングスの発表によると、新ブランドAirJapan(エアージャパン)は2023年度後半に国際線へ就航するという。基本的な運賃はLCC並み、ANAなどFSCならではのサービスもオプション(有料)で提供するとのこと。
使用機材はジップエア同様787で、成田空港を拠点とすることもジップエアと同じ。就航先は現在未定だ。ジップエアでは客室乗務員(CA)は独自採用されているが、エアージャパンではANAブランドと兼務することになるという。
実は、ANAは2001(平成13)年からAIR JAPAN(エアージャパン)をANAブランドの国際線として運航してきた。パイロットに外国人を雇用するなど、低コストでの経営が特徴。筆者(シカマアキ、旅行ジャーナリスト)も何度か乗ったことがあるが、ANA便とまったく変わらないフライト体験だった。
今回発表されたAirJapanは当時の「AIR JAPAN」とほぼ一緒で、以前と区別がつきにくいのも事実。未発表の部分も多いが、就航時期が近づくにつれ、全容が明らかになってくるだろう。先にデビューしたジップエアと似たようなスタイルになる可能性もある。
コロナ禍でも路線を拡大するジップエア

一方、ジップエアは、JALの完全子会社の国際線専門LCCである。成田空港を拠点に、
・バンコク(スワンナプーム)
・ソウル(仁川)
・ホノルル
・シンガポール
・ロサンゼルス
の路線を運航し、台北(桃園)への就航も予定している。
さらに、アジアの近距離路線、欧米路線などへの就航も視野に入れる。使用機材は「ボーイング787-8型機」で、運用する4機ともJALからのリース機。JALで導入初期に使用されてきた機体だ。
JAL国際線との違いは多い。座席は、ビジネスクラスに相当する「ZIP Full-Flat」と、エコノミークラスに相当する「Standard」の2クラス。ZIP Full-Flatは座席が180度リクライニングできるフルフラット仕様だが、特徴はその座席のみ。Standardは、JAL国際線787だとシート配列「2-4-2」のところ、他社で一般的な「3-3-3」と1席多い。
両クラスとも個人用テレビモニターはなく、機内食もすべて有料。機内持ち込み手荷物が、無料なのは7kgまでとLCC標準だ。ただ、機内Wi-Fiが乗客全員、無料で使える(JAL国際線は基本有料)。
ジップエアは、増え続ける訪日外国人や日本人の観光需要に合わせるように設立された。だが、2020年春からの新型コロナウイルスによる感染拡大で、国際線の需要は急減。それでも同年6月3日、旅客便仕様のまま貨物専用便としてデビューした。
その後、同年10月16日に念願の旅客便が運航開始した。ソウル行き初便の乗客はたったふたりだったという。それでも、その後も旅客便を週数回ペースで、貨物便と合わせて運航を続けながら、就航地を徐々に増やしている。