「中国系EV」が東南アジアで突如攻勢 一体何があったのか? 日系メーカーの挽回策に迫る【和田憲一郎のモビリティ千思万考9】

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これまで圧倒的に日系メーカーの牙城とされてきたASEANでのEV市場だが、昨今、中国系メーカーの進出が報じられるようになってきた。今後の展開と日系メーカーの挽回策を占う。

日系メーカーの圧倒的牙城は今

タイ・バンコクの風景(画像:写真AC)
タイ・バンコクの風景(画像:写真AC)

 昨今、ぽつぽつとニュースとなっているのが、ASEAN(東南アジア諸国連合)への中国系EVメーカーの進出である。

 これまでASEANと言えば、圧倒的に日系メーカーの牙城と言われてきたが、最近雲行きが怪しくなってきた。このため、現在の状況、ならびに日系メーカーの挽回策について、筆者(和田憲一郎、e-mobilityコンサルタント)なりの意見を述べてみたい。

タイとインドネシアに橋頭堡か

 これまでASEANといえば、日系メーカーの牙城である。例えば、タイの2021年における自動車販売台数は約76万台、対前年比-4.2%であるが、日系メーカーのシェアは約87%に達している。

 日系メーカーは長い歴史があり、多くの現地生産工場、さらにはR&Dセンターを有することから、1トンピックアップトラックを始め、現地に適した車両を提供してきた。

 しかし、ここ1~2年、中国系EVメーカーがタイとインドネシアにて攻勢を強めている。その代表例が長城汽車のEV「欧拉(ORA)」やMGの「ZS EV」などであろう。

 さらに、2022年4月、タイ国営のタイ石油公社(PTT)は台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業と合弁で、中国系EVメーカーの受託生産に乗り出すと公表した。タイ国内でEV工場を建設し、2024年には生産稼働するとしている。

 インドネシアにおいても、3月末開催の「インドネシア国際モーターショー2022」にて、中国の上汽通用五菱汽車が、中国にて最量産車種である超小型EV「宏光MINI」のインドネシア版新型車を投入すると発表した。