「中国系EV」が東南アジアで突如攻勢 一体何があったのか? 日系メーカーの挽回策に迫る【連載】和田憲一郎のモビリティ千思万考(9)
これまで圧倒的に日系メーカーの牙城とされてきたASEANでのEV市場だが、昨今、中国系メーカーの進出が報じられるようになってきた。今後の展開と日系メーカーの挽回策を占う。
今後の見通しと日系メーカーの挽回策は
では今度どうなるのであろうか。あくまで筆者の考えを示してみたい。
・日系メーカーは、ASEANでは、欧州で予定されるような厳しい環境規制が今後実施される予定はないため、2030年頃まで従来同様、ガソリン車、ディーゼル車、HEVなどに注力するのでないだろうか。
・EVに関しては、タイにて中国系EVメーカーの販売が増加するものの、2022年で1%程度であり、しばらくは様子見であろう。
・タイ政府は2030年にてEV比率3割を掲げており、補助金やEVへの利便性など、インセンティブを強化すると予想される。
・これに対して、日系メーカーへもEV投入の要請があると思われるが、現実的にはリチウムイオン電池の生産拠点がないことから、単独でのEV参入は難しい。
しかし、単なる様子見では極めて由々しきことになる。挽回(ばんかい)策として、以下が考えられるのではないか。
・市場でEVがシェア10%を超えると急激に拡大することが予想されるため、早めの対応が必要となるだろう。単独でムリであれば、日系メーカーが中国にて協業している合弁会社のEVをASEANに投入することが考えられる。
ある意味、中国製日本ブランドのEV投入である。可能性が高い企業のひとつが、広州汽車集団(広汽トヨタ、広汽ホンダ、広汽三菱など)であろう。
・その後、需要が拡大するにつれ、合弁会社をASEANにて設立し、現地化を行う可能性がある。