自己肯定感が低い運送会社の社員を「頭の良い社員」に変えるたった一つの方法

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従業員に論理思考能力を身に付けさせる方法について、後編となる本稿では、事例を挙げながら考えていこう。

従業員の論理思考能力を育成する方法

頭の良い社員がそろう運送会社がしていることとは(画像:写真AC)
頭の良い社員がそろう運送会社がしていることとは(画像:写真AC)

「頭が良かったら、運送の仕事なんてしない」――世間にも業界内にも、そのような思い込みがあることを、2022年4月10日に配信した前回の記事「「どうせ自分なんて」 運送会社の社員はなぜ“自己肯定感”が低いのか? 業界構造に潜む危機に迫る」で紹介した。地頭の良い人はたくさんいるにもかかわらず、

・運送会社の7割超が従業員数20人以下のため切磋琢磨の機会が少ないこと
・同じ業務の繰り返しにより考えるチカラを養う機会が少ないこと

など、運送業界特有の事情にも触れた。

 ビジネスに生きる「論理思考能力」を伸ばすのも、筋トレのようなものだ。

 従業員の論理思考能力を育成したいのであれば、トレーニングの機会、すなわち論理思考能力を必要とする機会を増やせば良い。

 以下は、筆者(坂田良平、物流ジャーナリスト)が中堅どころの運送会社で実際に行った方法である。あらかじめ申し上げると、このエピソードには、学びと反省の両方が含まれている。

 この運送会社(以下、A社とする)では、運送中の商品事故や、荷役時(特に積み込み時)の手間やミスに悩んでいた。詳細は割愛するが、手積み手卸しかつ多品種小ロットの貨物を扱っているがゆえにミスも多く発生していた。

「正直、トップダウンの指導には限界を感じています。トラックドライバーや倉庫作業員から、ボトムアップで改善のアイデアが出るようにしたい」──A社の役員からは、このような相談を受けた。

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