なぜ日産は70年以上続いた「湘南工場」の役割を見直すのか? 年15万台拠点に起きる生産機能の再編とは
2027年3月、年間15万台の生産能力を誇る日産車体・湘南工場が完成車生産を終了する。国内の平均車齢が9.3年に達するなど「車を長く持たせる経済」への転換が進む中、同工場は他社受託を視野に入れた補修部品製造へとかじを切る。固定費の重荷を解消し、長期保守型拠点へと移行する現場の最前線を追う。
ライフサイクルを支える未来の姿

湘南工場は完成車拠点から長期保守型製造拠点へ移行するだろう。これは地域雇用への配慮や熟練工の技能継承といった人的資本の側面からも重要だ。日産車体の社員数は1668人(2026年3月末時点)、うち湘南工場でおよそ500人が働く。この変革は、周辺サプライチェーンにも大量生産型から持続可能な生産網への移行を促。
今後、電気自動車や自動運転の普及、3Dプリンティングによる製造高度化にともない、自動車はアップデートを重ねて長く使い続けるものへ変わる。補修事業の役割も高度化し、造り捨てからライフサイクル全体を支える時代へと移行するだろう。
湘南工場の転換は、補修事業がモビリティ社会の基盤として拡張していることを示している。投資、政策、企業戦略の視点が融和し、次世代に適合した新しい工場のあり方が具現化していくのだ。