なぜ日産は70年以上続いた「湘南工場」の役割を見直すのか? 年15万台拠点に起きる生産機能の再編とは

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2027年3月、年間15万台の生産能力を誇る日産車体・湘南工場が完成車生産を終了する。国内の平均車齢が9.3年に達するなど「車を長く持たせる経済」への転換が進む中、同工場は他社受託を視野に入れた補修部品製造へとかじを切る。固定費の重荷を解消し、長期保守型拠点へと移行する現場の最前線を追う。

固定費負担と完成車生産の限界

日産車体・湘南工場(画像:日産車体)
日産車体・湘南工場(画像:日産車体)

 湘南工場の転換は、自動車製造の軸足が大量生産前提の規模の経済から、生産能力を柔軟に運用する「固定費の柔軟性」へ移行している現状を表す。日産自動車は、日産車体・湘南工場への委託生産を2026年度末に終了し、2027年度から「サービス部品」の製造拠点として活用すると発表した。これを受け日産車体は、他社からの部品受託を含めた活用法を検討する。

 神奈川県平塚市で70年以上稼働してきた同工場は、車体、塗装、組立工程を持ち、年間15万台の生産能力を有する。「AD」の生産は2025年10月末に終了しており、「NV200バネット」の終了をもって完成車生産の幕を閉じる。

 2009(平成21)年5月に始まった同車の生産から17年が経過し、工場設備は老朽化している。日産の経営再建計画「Re:Nissan」では閉鎖候補に挙がった。これまでキャラバン、エルグランド、セレナなどの多品種・少量生産も担ってきたが、保守費用の増加や物流の長距離化といった複合的課題が最適化戦略からの除外を決定づけた。

 完成車工場は稼働率の維持が生命線であり、低下すれば人件費や設備維持費が足かせとなる。同規模の拠点では生産減による収益悪化は避けられない。市場変動の影響を受けやすい固定費の重荷を高付加価値な資産へ変えるため、補修部品生産への転換が余剰能力を再配置する現実解として浮上した。

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