なぜ日産は70年以上続いた「湘南工場」の役割を見直すのか? 年15万台拠点に起きる生産機能の再編とは
2027年3月、年間15万台の生産能力を誇る日産車体・湘南工場が完成車生産を終了する。国内の平均車齢が9.3年に達するなど「車を長く持たせる経済」への転換が進む中、同工場は他社受託を視野に入れた補修部品製造へとかじを切る。固定費の重荷を解消し、長期保守型拠点へと移行する現場の最前線を追う。
量産から長期保守への転換

日産自動車子会社の日産車体・湘南工場が、完成車の生産拠点から補修部品を中心とした製造拠点へ転換する。2027年3月に商用車「NV200バネット」の委託生産を終了し、稼働率維持と収益確保のため他メーカーからの部品受託生産に踏み出す。これは、新車を製造販売するフロー型ビジネスから、市場の車両資産を長く循環させるストック型経済への適応を意味する。
電動化やモデルライフの長期化により補修部品需要は中長期的に底堅く、同工場にはビジネスチャンスが広がる。完成車製造の知見や独自加工技術で競争力を発揮し、1台の車両を長く安全に使い続ける社会インフラを支える役割を担う。
この転換は、国内の完成車拠点が量産前提から「多品種少量・長期保守型」へ移行する先行事例となる。既存の生産資産に新しい価値を見出し、産業全体の構造変化をけん引していく。