「外国人を入れたら生産性が上がった」 採用した運送企業の4割以上が実感! 見送る7割と分かれる“現場運営力”の決定的差

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運送業289社の調査で、制度を十分理解する経営者は14.2%にとどまり、7割が実務で活用できていない。採用経験も73.0%がなく、準備未着手は8割超に達する。一方、導入企業では43.6%が生産性向上を実感し、低下は5.2%にとどまった。判断の遅れと実行力の差が結果をわけている。

管理力の差と成果のばらつき

運送業における外国人材採用に関する調査(画像:G.A.グループ)
運送業における外国人材採用に関する調査(画像:G.A.グループ)

 この調査結果を読み解くため、いくつかの見方が考えられる。まず、外国人材を採用している企業は、もともと管理体制が整っている可能性があるという点だ。複雑な制度を理解し、受け入れ準備を進められる企業は、業務の流れが整理され、教育の水準も高い傾向にある。この場合、生産性の上昇は外国人材そのものの力だけでなく、企業側の運営力の高さも反映しているといえる。

 次に、外国人材の導入が現場の仕事の進め方を見直す契機になったという点がある。これまでの運送現場では、あいまいな合図や暗黙の了解に頼る場面が少なくなかった。しかし、言葉の違う相手には、誰でも理解できる形で手順を示す必要がある。そのため指示を文章化し、作業の流れを整理し直したことが、結果として無駄を減らすことにつながった。外国人材の受け入れを前提に仕事の進め方を整えたことが、現場全体の力を押し上げたといえる。

 さらに、人手不足の解消によって車両の運行が安定した点も見逃せない。欠員を埋め、予定通りに人員を配置できるようになったことが、収益の安定につながっている。

 一方で、採用していない企業の20.8%が特に理由はないと答えている事実は重い。これは明確な判断に基づく拒否というより、情報が足りず動けない状態を示している。必要な情報が届いていないことが、新しい取り組みへの足止めになっているのだ。

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