テスラでもトヨタでもない――世界EV市場の約3分の2を押さえる“見えない勝者”の正体、なぜ主導権はここまで変わったのか?

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EV市場は政策の揺れと資源制約に直面し、投資減速が広がる一方で、中国勢のLFP優位とGMのLMR実用化が対照をなす。電池技術の選択が価格構造と供給網を左右し、業界勢力図を塗り替えつつある。

LMR電池の実用化とGMの攻勢

次世代EVバッテリーの覇権争い。
次世代EVバッテリーの覇権争い。

 2026年2月9日、英フィナンシャル・タイムズ紙は、GMが長年の課題だったLMRバッテリーの電圧低下問題を解決したと報じた。繰り返し充電すると性能が大きく落ちる現象であり、これを抑え込んだことで実用面での信頼性がようやく固まった形だ。GMは競合他社への供給も視野に入れた協議を進めており、事業の広がりを一段と進める構えを見せている。

 この技術の前進は、中国勢が優位に立つLFPバッテリー中心の市場から距離を取り、自社に有利な環境を整えようとする動きでもある。EV市場の拡大は続く見通しだが、優れた性能を競う段階から、価格や用途に応じて電池の化学構成を使いわける段階へと移りつつある。使い手の選択肢が広がることで、EVの広がり方も変わっていく余地があるだろう。

 電池の構成技術が市場の流れを左右し、業界全体の勢力のバランスにも影響を及ぼす局面に入っているのだ。

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