「中国製車載ソフト全面禁止」 3月17日に迫る決別――輸入電池の中国シェア「43%」急減、もはや“安さ”は罪になったのか?
ソフト分野における中国完全排除の可否

中国企業をソフト開発から完全に排除するには、
「ソースコード」
まで遡る必要があるが、その作業は困難を極める。規制対象はVCSとADASだが、ソフトの中身であるファームウェアやオープンソースソフトウェア(OSS)は対象外となる。
VCSの機能には、車載通信用ゲートウェイやDCM(Data Communication Module)、車外との無線通信用システム、無線通信などが含まれる。一方のADASは、周辺監視用のカメラ、レーダー、LiDARなどの各種センサーに加え、システム稼働ログ記録システム、地図ロケーター、制御ECUなどで構成される。
メーカーが規制に応じるには、部品を交換するだけでは終わらない。車両開発におけるソフトの構造は、数層にも重なる階層を各サプライヤーが積み上げている。完成車メーカーがティア1サプライヤーから電子制御ユニットを調達しても、その内部で動くコードの一部が、ティア2より下の中国企業から提供されている可能性は十分にある。
中国製ソースコードは、目に見えない形で無数に潜り込んでいる。ソースコードの調査において壁となるのが
「知的財産権」
だ。サプライヤーは自社の権利を主張してソースコードを他社と共有することを拒む。完成車メーカーは自社では把握しきれないコードの出自を証明しなければならないが、サプライヤーにはその情報を出す利点がない。
車載ソフトは特定のハード構成に合わせて作り込まれた製品が多いため、スマートフォンのアプリのように入れ替えることは不可能だ。作り直しや検証には膨大な手間がかかり、部品の交換は不具合の発生や安全認証のやり直しをともなう。
これはメーカーにとって、いつ発覚するかわからない法令違反のリスクを抱えたまま、莫大な技術的負債を一括返済させられる状況に等しい。