「中国製車載ソフト全面禁止」 3月17日に迫る決別――輸入電池の中国シェア「43%」急減、もはや“安さ”は罪になったのか?

キーワード :
, , ,
米国自動車産業は、2026年3月17日から中国・ロシア製ソフト禁止という歴史的規制に直面。VCSやADASを含む車載ソフトの脱中国が進む中、EVの中国製バッテリー比率は10%に低下。安全保障とコスト増、国際競争力の板挟みが迫る。

脱中国を加速する米国自動車産業

コネクテッドカーの事例(画像:AAI)
コネクテッドカーの事例(画像:AAI)

 米国では産業全体で中国との関わりを断つ動きが勢いを増している。GMやトヨタなど主要メーカーで組織する自動車イノベーション協会(AAI)は2025年12月11日、連邦議会下院の公聴会で、中国の車両メーカーや電池メーカーが

「明白かつ差し迫った脅威」

であると指摘した。中国政府による補助金や過剰生産、不公正な貿易慣行、知的財産の侵害、通信上の安全に対するリスクが、米国の競争力を根本から脅かすと警告している。

 電池分野でも中国企業の存在感は低下している。国際エネルギー機関(IEA)の報告では、2024年に米国で販売された電気自動車(EV)のうち、中国製電池の搭載割合は約10%で、2023年から横ばいだった。注目すべきは輸入電池の内訳だ。中国企業の占める割合は2024年に81%に達したが、2025年1月から7月の累計では

「43%」

まで急減した。インフレ抑制法(IRA)による補助金が中国資本を実質的に排除する仕組みとして機能しており、市場からの追放が加速している。

 この供給網の切断は、経済の合理性に基づいた市場の選択ではなく、政策による強制的な介入の結果といえるだろう。GMは2025年11月、供給網から中国企業を排除するよう取引先に促し、一部には2027年までの対応を求めた。

 テスラも2026年初め、米国産車両に中国拠点の部品を使わない方針を協力会社へ通知した。基幹部品はすでに他国製へ置き換わっており、今後1年から2年で全部品から中国の影響をなくすという。

 中国という世界で最も安価で開発速度が速い環境から切り離されることで、米国産車両はコスト高に見舞われ、国際市場での競争力を失う。自国内の純血性を守るために、効率性を犠牲にする不条理な道を進んでいる。

全てのコメントを見る