「赤字6500億円だが、絶望ではない」 日産が衝撃決算の裏で進める“逆転のシナリオ”

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日産の2025年度第3四半期決算は、最終赤字6500億円ながら第3四半期単体で175億円の営業黒字を計上。巨額リストラで負債を一掃し、固定費削減効果が上回る一方、世界販売は前年同期比5.8%減。V字回復か縮小均衡か、再建の行方が鮮明になった。

止血・輸血・リハビリの段階

RE:NISSAN(画像:日産自動車)
RE:NISSAN(画像:日産自動車)

 イバン・エスピノーサ政権下での改革は成功した。6500億円の最終赤字を計上して負の資産を一掃したことは、将来の不確実性を消し去るための決断である。一方で営業赤字見通しを当初の2750億円から600億円へと、2150億円も圧縮した事実は、経営陣の規律が機能している証拠だ。

 2026年度の焦点は明確である。これ以上の固定費削減は限界が近く、過度に進めれば将来の成長に必要な資源まで失う恐れがある。

 日産は損失を出し続ける構造を修正することに成功した。次に待ち受けるのは、「消費者に選ばれる製品を作れるか」という、製造業としての根本的な実力を問われる局面だ。経営の役割は、収益管理を徹底する段階から、具体的な将来像を提示する段階へと移る。

 出血を止める外科手術を終えた日産にとって、真の復活を左右するのは、魅力的な車を生み出す開発現場と製造現場の活力である。

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