「赤字6500億円だが、絶望ではない」 日産が衝撃決算の裏で進める“逆転のシナリオ”
日産の2025年度第3四半期決算は、最終赤字6500億円ながら第3四半期単体で175億円の営業黒字を計上。巨額リストラで負債を一掃し、固定費削減効果が上回る一方、世界販売は前年同期比5.8%減。V字回復か縮小均衡か、再建の行方が鮮明になった。
2026年度以降のリスク

財務体質が改善しても、外部環境のリスクは深刻だ。
地政学リスクと関税の障壁がある。米国市場への依存度が高い日産にとって、メキシコに生産拠点が集中している現状は不利に働く。通商政策の変更によって関税が引き上げられれば、これまでの努力で積み上げた利益は一瞬で消失する。
米国内での調達率を高めて関税の影響を抑える体制を整える必要があるが、その移行には多額の費用と時間がかかる。
ソフトウェアを中心とした車両開発や電動化投資の重圧も大きい。ホンダや三菱自動車との連携によって開発費を抑える方針だが、共同開発した車が実際に発売され、収益を生むまでには時間差がある。他社と車体の基礎部分を共通にするなかで、日産の個性をソフトウェアでいかに表現できるかが問われる。
ブランド力の低下も大きな懸念材料だ。コスト削減を優先して新型車の投入を遅らせた影響で、市場での存在感が薄れている。新車の空白期間が長引けば中古車相場も下落し、販売網全体の収益性を損なう恐れがある。