「赤字6500億円だが、絶望ではない」 日産が衝撃決算の裏で進める“逆転のシナリオ”
日産の2025年度第3四半期決算は、最終赤字6500億円ながら第3四半期単体で175億円の営業黒字を計上。巨額リストラで負債を一掃し、固定費削減効果が上回る一方、世界販売は前年同期比5.8%減。V字回復か縮小均衡か、再建の行方が鮮明になった。
最終赤字でも上方修正となる理由

本決算の数字は一見矛盾しているように見える。巨額の最終赤字を出しながら、営業損益見通しを上方修正した背景にある仕組みを説明する。
通期純損益6500億円の赤字要因は、主にリストラ費用と現金支出をともなわない資産の減損損失だ。これは将来の負担を今期中にすべて処理し、負の遺産を清算する財務判断の結果である。投資家が最も警戒する不透明な将来リスクを今確定させることで、不確実性を消し去り、株価が実力値に基づいて評価される環境を整えた。
資産の価値を現時点で適正化すれば、次期以降の減価償却費が軽くなるため、利益が出やすい体質に変わる。
一方で本業の回復は明らかだ。第3四半期単体の営業利益は175億円の黒字を計上し、第3四半期累計(9か月)の営業損失は101億円まで縮小した。この数字を見れば、事業が最悪の状態を抜けたことは確実だ。
営業損益見通しの改善は大きい。通期営業赤字見通しを、当初の2750億円から600億円へと大幅に修正した事実は、固定費削減が計画を上回る速度で進んでいることを裏付けている。