「赤字6500億円だが、絶望ではない」 日産が衝撃決算の裏で進める“逆転のシナリオ”

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日産の2025年度第3四半期決算は、最終赤字6500億円ながら第3四半期単体で175億円の営業黒字を計上。巨額リストラで負債を一掃し、固定費削減効果が上回る一方、世界販売は前年同期比5.8%減。V字回復か縮小均衡か、再建の行方が鮮明になった。

V字回復と縮小均衡の行方

2024年3月に発表された日産・ホンダ・三菱の協業(画像;本田技研工業)
2024年3月に発表された日産・ホンダ・三菱の協業(画像;本田技研工業)

 市場関係者の間では、日産が「V字回復」を果たすか「縮小均衡」に陥るか、評価が激しく対立している。

 楽観的な見方をする層は、構造改革が完了に近づいたと判断している。第3四半期の営業黒字化は、徹底したコスト削減の効果が販売台数の減少による損失を上回った結果だ。2026年度以降は新車の投入が相次ぐサイクルに入るため、再び攻めに転じることが可能になる。

 ホンダや三菱自動車との提携は、多額の開発費を分担するだけでなく、車の知能となるソフトウェア基盤で主導権を確保するための手段だ。日産の電動化技術を共通基盤の核に据えることができれば、効率的な成長が見込める。

 反対に悲観的な見方をする層は、根本的な収益力が回復していないと厳しく分析している。固定費を削って帳尻を合わせただけで、売上高そのものが伸びていない状況は重い。ソフトウェアを軸とした車両開発やEVの分野でテスラや比亜迪(BYD)に突き放されており、高い価格設定を維持することが難しくなっている。

 経営再建を優先して新型車の開発を後回しにしたことで生じた商品力の低下を、短期間で取り戻せる保証はない。2026年時点でのトランプ政権による関税引き上げリスクに対し、供給網が脆弱であることも大きな不安要素として残っている。

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