「廃車リサイクル」が進化していた! 古タイヤがおしゃれに大変身、いったいなぜなのか?

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自動車リサイクル法の施行から17年。SDGsの周知も後押しとなって、クルマの廃材を活用したアイテムが次々と誕生している。

どんなものにリサイクルされるのか

 経産省によると、使用済みになったクルマは専門業者によって解体が行われる。エンジンやボンネットなど再利用可能な部品は、部品として再利用される場合もある。その他の鉄や破砕した残骸も、素材としてのリサイクルや熱源として利用される。

 鉄やアルミなどの金属が多く使われる自動車において、エアバッグやシートベルトのような特殊な布は、リサイクル時に熱源としての利用しかできないこともまた事実だった。
 特にエアバックは、一度解体に回ると安全上の理由から再利用することはなかった。しかし近年、この布がごく身近なアイテムに生まれ変わっている。

エアバッグ再生、地域児童に寄贈

CRS埼玉が新1年生に寄贈した、エアバッグ製の上履き袋(画像:CRS埼玉)
CRS埼玉が新1年生に寄贈した、エアバッグ製の上履き袋(画像:CRS埼玉)

 近年、世界的共通目標であるSDGs(持続可能な開発目標)が脚光を浴びていることにより、あらためてリサイクルの可能性が模索されている。

 たとえば自動車リサイクル業などを手掛けるCRS埼玉(川越市)の例を挙げる。同社が行う自動車リサイクルの再資源化率は99%に上るものの、残る「1%」の中にはエアバッグが含まれていた。

 そこで、廃棄予定だったエアバッグ生地を使用してエコバッグや上履き袋を作成。同県内にある小学校の新1年生に寄贈する活動を始めた。

 エアバックには「ナイロン66」という耐油性・耐摩耗性に優れた素材が使用されることが多い。そのため、買い物に使うエコバッグや子ども用の上履き袋としての長期利用にも適していると言える。

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