「年間の半分は休業」でも、潰れない鉄道の正体――巨大電力会社の“100%子会社”が冬にだけ見せる特別な姿とは

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黒部峡谷鉄道は冬季限定「プレミアムツアー」で増収を図るが、豪雪地帯の維持リスクや富山地方鉄道の存廃問題が復旧と観光計画の成否を左右する。

冬季休業ゆえの「プレミアム」

トロッコ電車(画像:黒部峡谷鉄道)
トロッコ電車(画像:黒部峡谷鉄道)

 黒部峡谷鉄道(富山県黒部市)はトロッコ電車で知られ、2026年1月から今年も「冬の黒部峡谷プレミアムツアー」を開始した。同ツアーは2022年から毎年開催されており、黒部峡谷鉄道が通常営業を休止する冬季に、土日祝日限定で行われる。

 1日4回運行され、新山彦橋から白銀に輝く黒部峡谷の景観をトロッコ電車で楽しめるほか、黒部川電気記念館や機関車・客貨車の分解・点検が行われる機関車検修庫も見学できる。募集人員は各回47名で先着順とされ、非常に限定性の高いツアーであることから人気が高い。宇奈月温泉の宿泊と組み合わせた旅行商品も販売され、この季節の集客にも貢献している。

 黒部峡谷鉄道は険しい山間部の豪雪地帯を走る観光鉄道で、毎年12月から4月まで冬季の通常営業を休止する。このため、冬季の増収策は長年の課題だった。

 冬の黒部峡谷プレミアムツアーは、日数や行程こそ通常営業より限定的だが、一般の観光客にとって長年「未知の世界」だった冬の鉄道体験を提供する。まさにプレミアムと呼ぶにふさわしい内容だ。

 ここでひとつ疑問が浮かぶ。同ツアーが冬季の増収策であることは理解できるが、年間の約半分を実質休業している鉄道が、これまでどのように存続してきたのかという点である。

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