特定原付「事故67%増」の衝撃――「1分20円」の利用料金を飲み込む保険料、採算モデルは限界なのか?

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規制緩和で急拡大した電動キックボードだが、事故は226件から378件へ67%増。保険料と補償負担が採算を圧迫し、利便性モデルの持続性がいま試されている。

規制緩和による急拡大

電動キックボードのイメージ(画像:写真AC)
電動キックボードのイメージ(画像:写真AC)

 2023年7月の改正道路交通法施行で、電動キックボードは特定小型原動機付自転車(特定原付)として位置付けられ、都市部での利用が一気に広がった。免許不要、ヘルメットは努力義務――LUUPを中心に移動の便利さが評価される一方で、事故の統計には急激な変化が現れている。

 警察庁の資料を見ると、制度が始まってから事故件数は短期間で目に見えて増えている。これは事業者のコスト構造、とりわけ

「保険料の負担」

に新たな歪みを生みつつある。移動の効率化という価値が生まれる裏側で、事故にともなう社会的な負担が目に見える形で現れ始めたということだろう。

 利便性を追い求めることが、事業を支える社会的な信頼や合意にどんな影響を及ぼすのか。電動キックボード普及の裏側で進む損害保険と補償を巡るビジネス課題を、事業の継続性を左右する経済的な視点から見ていく。

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