日産リーフ「B5グレード」実質310万円は復活のサインか? 稼働率1割に喘ぐ工場維持を優先する“台数至上主義”の行方

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2025年の国内新車販売は約457万台と2年ぶりに回復したが、EVは6万台にとどまり伸び悩む。日産はリーフB5で低価格戦略に挑む一方、トヨタは充電インフラとサービスで顧客囲い込みを進め、安さか安心か、EV選択の価値観が明確に分かれる年となった。

日産の「量」とトヨタの「仕組み」

トヨタ・bZ4X購入特典(画像:トヨタ自動車)
トヨタ・bZ4X購入特典(画像:トヨタ自動車)

 栃木工場の低い稼働率に直面している日産は、リーフB5の投入によって販売台数を積み上げ、稼働率を回復させる「数を増やす」という論理を優先している。新型リーフの2025年10~12月の販売台数は1500台余りで、トヨタ・bZ4Xの半数にも達していない。「売れるクルマ」は、日産による財務体質の悪化を食い止める急のためのものとして、もう絶対に必要なものとなっている。

 栃木工場の生産能力は年19万台で、リーフの他にもアリア、スカイライン、フェアレディZを生産している。2025年の生産台数は2万台強で、約7万台を生産した前年から大幅に落ち込んだ。リーフB5投入によって稼働率を上げることは、操業を続けていく上での前提となり、どこまで市場に受け入れられるかが栃木工場の存続の境目になっている。

 この焦りは、市場の動きを読み解く戦略よりも、生産現場を維持するという内向きの論理が経営を支配している現状を見せている。規模を拡大することが生き残る道だという古い発想から抜け出せず、結果としてブランドの価値や収益性を自ら削るリスクを負っている。日産は、工場の固定費という重圧を跳ね返すために、利益を削ってでも台数を追わざるを得ない悪循環に陥っている。

 トヨタは別の動き方をしている。EVと充電環境などのサービスを組み合わせることで収益性を安定させる「仕組みを作る」という論理で動いている。販売台数に頼らない新たなバリューチェーンビジネスを加速し、収益を安定的に保つ戦略を推し進めている。トヨタにとっての車両は、顧客を自社の経済圏に繋ぎ止めるための接点であり、ハードウェアの利幅だけに頼らない収益の基盤を作り上げている。

「安さ」で勝負するのか。それとも「持っていることの安心感」で勝負するのか。両社の狙いがはっきりと分かれており、EV戦略にも色濃く反映されている。日産は目先の台数を追うことで工場の負担を減らしようとしているが、トヨタは生活インフラとしての地位を確立することで、他者が入りにくい領域を固めている。この姿勢の差は、表面的な販売手法の違いを超え、企業としての生き延びる力の差として現れているのだ。

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