「ロマンスカーとは別採用です」 新入社員わずか7人――なぜ巨大鉄道グループは“小さな組織単位”を残すのか?
箱根ロープウェイで音響体験と気象予測の高度化を進める小田急箱根は、2023年度186億円規模の事業を背景に、小田急連結3952億円の中で比率は小さいながらも存在感を高めつつある。箱根事業の収益構造と再編後の企業像が、グループ戦略の中で改めて注目されている。
立体音響ゴンドラ導入

小田急電鉄100%子会社の小田急箱根(神奈川県小田原市)は2026年4月13日、MMDやクープなどと協力し、箱根ロープウェイでドルビーアトモス対応の立体音響システムを備えたゴンドラ「音箱(OTOBACO)」の運行を始めた。
音箱では、ドルビーアトモス対応スピーカー8台とウーファー2台により音楽を再生する。通常のゴンドラが移動空間から音を中心とした体験空間へと変わる仕組みである。
運行区間は早雲山駅から大涌谷駅までの片道で、繁忙日を除き毎日運行する。1台につき1組限定の貸切運行とし、定員は最大16人となる。
また小田急箱根と日本気象協会は2026年4月15日、箱根ロープウェイに日本気象協会の「AI強風予測」と「AI暴風確率予測」を導入した。
この取り組みは、標高差と複雑な地形の影響で風向や風速が区間ごとに変わりやすい箱根ロープウェイにおいて、強風時の運行判断や情報提供の精度を高め、安定した運行につなげることを目的としている。
AI暴風確率予測では、初期条件を少しずつ変えながら複数の予測を行い、そのばらつきや傾向から予測の確度を把握する「アンサンブル予測」を用いる。この方法を運行管理に活用するのは、日本の索道事業では初めてとなる。
小田急箱根はこうした取り組みに加え、沿線での催しの告知などについても親会社の小田急電鉄とは別に、独自に報道発表を行っている。