日産リーフ「B5グレード」実質310万円は復活のサインか? 稼働率1割に喘ぐ工場維持を優先する“台数至上主義”の行方
リーフB5とbZ4X、選ぶポイント

日産は2026年1月29日、2025年10月に発売した新型リーフ「B7グレード」の廉価版として、バッテリーサイズ55kWhの「B5グレード」の注文受け付けを開始した。
全国希望小売価格(消費税込み)は438万9000円からで、CEV補助金受給後の実質価格は309万9000円となる。この価格設定は、過去のモデルで表面化したバッテリー劣化への懸念や、市場での低い評価を埋めるためにとった譲歩のひとつだ。購入者のなかにある「将来的に価値が下がる」という不安を、購入時の大幅な負担軽減で無理やり打ち消しようとする意図が透けて見える。日産は、ブランドへの信頼を価格の安さで取り戻しようとしている。
トヨタは、2025年10月に一部改良したEV・bZ4Xの受注が順調に進んでいる。昨年12月末までの受注台数は1.1万台超で、月販目標1,700台を大幅に上回った。2025年10~12月の販売台数は3448台で、軽EVを含めたEVとして国内トップとなった。bZ4Xの全国希望小売価格(消費税込み)は480万円からで、CEV補助金やエコカー減税などの受給後の実質価格は約345万円となる。リーフB5はbZ4Xよりも約35万円ほど安い。
両モデルの航続距離を比べると、その差は23kmまで縮まっており、買い物や通勤といった日常的な使い方では性能の差を感じにくい水準に近づいている。このため、どちらのモデルを選ぶかは、車そのものの性能よりも、購入後のサポートや充電環境の充実度で決まるポイントになっている。35万円の差額は、トヨタが提供する将来的な安心感と、日産が背負うイメージの低下の差を映しているのだ。
日産は移動のための道具としての安さを提示する一方で、トヨタは「持っていることによる不利益がない」ことを価値として提供している。消費者は、今の支出を抑えるか、長期的な資産の安定を取るかという判断を迫られている。