「世界2位の線路網」「支出は欧州最下位」スペイン高速鉄道、相次ぐ事故が示した“拡張優先”の代償
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2026年1月、スペインで2件の鉄道事故が相次ぎ、死者47人超、負傷者150人超に。高速鉄道の利用倍増とインフラ維持費の不足が重なり、安全管理の限界が露呈した事態である。
2026年1月のスペイン鉄道事故

2026年1月18日と20日。わずか数日の間に、スペインの鉄道で大きな事故が2件続いた。性質も異なれば場所も違う。だが、どちらも被害は甚大だった。
18日、南部アンダルシア州。民間のIryoが運行する高速列車が走行中に脱線し、反対側の線路を進んでいた国営Renfeの列車と衝突した。少なくとも45人が亡くなり、120人を超える乗客が病院に運ばれている。
続く20日には北東部のカタルーニャ州で別の事故が起きた。線路沿いの擁壁から岩が崩れ落ち、Renfeの列車に直撃した。運転士ふたりが命を落とし、乗客も37人が負傷している。うち5人は重傷だ。
スペインの鉄道は、これまで効率と安全性を両立させた成功例として語られてきた。それだけに、短い期間にこれだけの事故が重なったことへの戸惑いは大きい。偶然や不運だけで片づけるには、違和感が残る。