「世界最大の見本市」に日本自動車メーカー“ゼロ” CES出展はもはや無意味になったのか? 価値の重心は「車体」から「知能」へ
CES 2026はもはや自動車の舞台ではない。完成車メーカーの収益中心は依然として販売に依存する一方、電子・ソフトウェア分野の利益率は6%と高水準に維持され、付加価値の重心はサプライヤー側に移行している。この構造変化が、日本メーカーの出展控えを象徴する。
日本メーカーの不在

CES 2026に出展する完成車メーカーはBMW、現代自動車、ソニー・ホンダなどである。いずれもEVを出品するが、出展ブースでは車両以外の技術領域も幅広く紹介している。各社の展示の中心はEVそのものではなく、AIやロボティクス、空間制御に置かれている。これは自動車事業が企業の事業全体を構成する要素のひとつとなり、唯一の中心的存在ではなくなっていることを示している。
CES 2026の出展企業リストに日本の自動車メーカーは含まれていない。これは、収益の中核が依然として車両の製造と販売に依存している現状を反映している。同時に、電子技術やソフトウェアを車から切り離した
「独立事業」
として確立できていない証左でもある。現在の収益構造では、テック企業の文脈で語られる価値体系を持ち合わせておらず、出展による投資対効果を見出せていない。
トヨタ自動車もCES 2026には出展していない。しかし、豊田章男氏は2020年と2025年にCESで基調講演を行った。いずれもウーブンシティに関する発表で、都市のあり方や生活インフラをテーマにしていた。これは、CESがもはや車という製品を披露する場ではなく、社会全体のシステムを議論する場へと変容したことを示している。
同時に、従来の自動車ビジネスの延長線上では、この場に立つ理由が見つけにくいという乖離を象徴している。