EV一色では回らない――サプライヤー再編が招いた「部品の集まりすぎ」という新リスク【連載】自動車部品業界ウォッチ(4)

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EVシフトの減速とハイブリッド回帰が進むなか、自動車部品業界では再編が加速している。世界シェア6割を握る企業の誕生や供給遮断リスクが顕在化するなか、効率化と集中が新たな脆弱性を生む構図が浮かび上がる。

EV揺り戻し下で進むサプライヤー再編

自動車部品業界の変革イメージ
自動車部品業界の変革イメージ

 自動車産業は今、100年に一度とも言われる大変革期にある。電気自動車(EV)への移行が加速するなか、従来の内燃機関向け部品を手がける企業は、従来のビジネスモデルだけでは生き残れない時代を迎えた。本連載『自動車部品業界ウォッチ』では、こうした変化のなかで各社がどのような戦略を描き、どのように新規事業や技術に挑戦しているかを追う。国内外の公開情報を整理・分析することで、自動車部品業界の“今”を浮き彫りに。EV化という大波に対応する部品メーカーの戦略と、業界構造の変化を見通すことで、読者に新たな知見と業界理解を提供する。

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 急激なEVシフトが引き起こした大変革のまっただなかにある自動車業界だが、その様相は刻一刻と変化している。かつてはEVがエンジン車を完全に駆逐するかと思われたが、現在はその勢いが落ち着き、世界的にハイブリッド車(HV)への回帰という揺り戻しが起きている。

 こうした市場の急変という荒波を乗り越えるため、自動車部品サプライヤーは生き残りをかけた激しい再編に打って出ている。不採算部門の切り離しや、逆に得意分野を補強するための事業統合が急速に加速している。

 しかし経営基盤を安定させるためのサプライヤー集約は、一方で供給網の一極化という新たな火種を生んでいる。現在進行形で世界的な供給リスクへと発展しつつあるこの構造変化は、メーカーとサプライヤーの力関係を根本から変えようとしている。

 連載4回目は、再編の果てに生じているサプライヤー一極化がもたらす供給網の脆弱性と、それが各メーカーに突きつける経営課題について解説する。

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