「ソニー撤退」「EV台頭」 なぜCESは“家電の祭典”をやめたのか? 技術主権の“下剋上”が始まった
2026年1月6日開幕のCESは、家電からEV・自動車関連技術へ軸足が移行。出展企業は1400社のスタートアップも交え、完成品から技術スタックや提携戦略まで価値を競う、新たな産業交渉の場となっている。
モビリティへの主役交代

一方で、2010年代後半からCESで存在感を高めているのが、電気自動車(EV)を含む自動車関連企業である。車両原価に占める電子部品や制御システムの比率は拡大しており、自動車を電子機器の進化の延長線上にあるものと捉える向きが強まった。電子分野を核とするEVは、家電見本市として始まったCESの性格と高い親和性を示している。
メーカー各社の競争力の源泉は、駆動や制御、精密部品の差別化へと移り、それに伴ってサプライヤーの交渉力が強まっている。特にソフトウェアによって車両の機能や価値を定義するSDV(ソフトウェア・デファインド・ビークル)の進展により、サプライヤーが基礎技術を担う領域は飛躍的に増えた。技術的な優位性を証明する場において、彼らは主要な役割を演じるようになり、その企業価値はかつてないほど高まっている。
近年の出展傾向は、製品そのものの披露から技術仕様の提示へと明確に変化した。CES2026には、
・ジャトコ(静岡県富士市)
・ミネベアミツミ(長野県御代田町)
・現代WIA(韓国)
といった自動車関連サプライヤーが初出展を果たす。量産を前提とした新技術を実証する機会として、また受注や提携を左右する判断材料の場として、この舞台の重要性はさらに増していくはずだ。完成車という枠組みを超え、それを構成する技術スタックの優劣を競う段階に入っているのである。