欧州車vs中国車! EV市場でヨーロッパ激震、「45%関税」でも抑えきれない中国勢の実力とは

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EUは2025年、小型EV枠「イーカー」を創設し車両価格を1万5000~2万ユーロに抑制、低価格帯の空白を埋める狙いだ。中国勢は現地生産でシェア拡大、欧州市場での価格競争と都市モビリティ戦略が激化する構図が浮き彫りとなる。

技術要件とコスト圧力

ルノー・トゥインゴ E-Tech(画像:ルノー)
ルノー・トゥインゴ E-Tech(画像:ルノー)

 EUはこれまで、自動車に居眠り防止装置や車線維持システム、緊急停止時の光信号などの必須機能を搭載することを義務付けてきた。こうした技術要件は安全性の向上に寄与する一方で、車両コストを押し上げる要因にもなっている。

 イーカーの導入により技術要件が緩和されれば、車両価格は1~2割程度下がる可能性がある。目安となる価格帯は1万5000~2万ユーロ(約270万~360万円)で、この水準であれば、中国勢の低価格モデルとの価格差を縮める余地が生まれる。価格面での競争力確保に加え、メーカーは装備やデザインの差別化に集中できるため、都市向けや日常利用を意識した小型EVの開発を加速させやすくなる。

 また、EV購入に対する補助金や税控除を「域内生産条件」と結び付ける政策は、欧州内での生産を促す一方、中国勢を一定程度抑制する効果を持つ。今後、フォルクスワーゲン(VW)、ルノー、ステランティスなどの主要欧州メーカーは、量販戦略の中心にイーカーを据え、開発を進める見込みである。すでにVWやルノーは来年以降、車両価格2万ユーロ(約360万円)を下回る小型EVの発売を計画しており、イーカー規格に沿った小型化を進め、新モデル投入の具体化に向けて動き出している。

 このように技術要件とコスト構造の調整は、価格の低下にとどまらず、メーカーの開発戦略や都市モビリティ市場での競争力を左右する要素として注目される。制度がどの程度市場に影響を与えるかは、今後の欧州自動車戦略を考える上で重要な視点となる。

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