インバウンドは一体どこまで増えるのか? 「4000万人目前」の現実、オーバーツーリズムと受け入れ体制のギャップを考える
2025年の訪日客は3555万人に達し、年間4000万人が視野に入った。2030年の6000万人達成には、インフラ整備や地方分散、質重視の高付加価値戦略が不可欠だが、災害や地政学リスクも存在し、日本観光の真価が問われる局面にある。
訪日客数の回復遅延と次期目標

日本政府観光局(JNTO)によると、2025年10月の訪日外客数は390万6300人(推計値)となった。1月から10月までの累計は3555万人に達する。このまま推移すれば、2025年の年間訪日客数は4000万人に届く見通しである。
国は当初、2020年までに4000万人を目標としていたが、新型コロナウイルスの感染拡大で達成は5年遅れとなった。次の目標として、2030年までに6000万人を掲げている。
では、あと5年で6000万人は可能だろうか。2012(平成24)年から2024年までの訪日外客数の増加トレンドを回帰分析で推計すると、理論上は2030年に6000万人を達成できる見込みである。
ただし、これは2012年から2019年の急成長期のトレンドが維持されることが前提となる。この期間、
・円安の進行
・ビザ要件の緩和
・国の積極的な訪日プロモーション
・航空路線の拡充
・クルーズ船の寄港増加
などが訪日需要を後押ししていた。