インバウンドは一体どこまで増えるのか? 「4000万人目前」の現実、オーバーツーリズムと受け入れ体制のギャップを考える
2025年の訪日客は3555万人に達し、年間4000万人が視野に入った。2030年の6000万人達成には、インフラ整備や地方分散、質重視の高付加価値戦略が不可欠だが、災害や地政学リスクも存在し、日本観光の真価が問われる局面にある。
インバウンド拡大の国内課題

海外からの訪日需要は拡大しているが、国内のインフラ整備は追いついていない。
「特にバスやタクシーの不足」
は深刻で、インバウンド増加にともないさらなる拡充が求められる。地域交通のオーバーツーリズムは住民の不満につながりやすい。ただし、変動の大きいインバウンド市場で設計基準をどこに置くかは難しい課題である。コロナ禍のように訪日客が消滅すれば、増やした従事者の行き場もなくなる。
宿泊面でも目標値に対して不足しているが、ホテル開発の意欲は高く、次々に供給される可能性がある。現在は大型複合開発でホテルが核となる計画が多い。しかし、供給量が増えても宿泊価格の高騰が収まるとは限らない。
全国で訪日客の分散化が進んでも、人気の観光地への集中は避けられない。都市インフラが脆弱な京都などではオーバーツーリズムが加速している。修学旅行離れなど、観光面での弊害も出ている。エリア内の分散化や時間軸の分散化は進められているが、増加するインバウンドを受け入れられるかは疑問である。
今後は地域ごとに抑制と拡大のメリハリをつけた施策が必要である。京都では入域税の導入や入域人数の制限、観光開発の制限など、さらに踏み込んだ抑制策を検討すべき時期にある。