「東京に近いのに不便?」 千葉県の50万人級都市が便利そうで“イマイチ”な理由

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人口50万超、千葉県第4の都市・松戸は、JR常磐線や北総線を擁し都心直通の強みを持つ一方、東松戸駅との距離、京葉線不在、空港バス運休など「便利そうで今ひとつ」の矛盾を抱える都市である。

2つのハブ駅の距離感が〝便利そうで今ひとつ〟

松戸駅と東松戸駅の位置関係(画像:OpenStreetMap)
松戸駅と東松戸駅の位置関係(画像:OpenStreetMap)

 上で挙げた条件だけを見ると、松戸市は

「超優秀なのでは」

と思えるかもしれない。しかし、松戸駅と東松戸駅のふたつのハブ駅は微妙に離れており、直結していない。船橋の船橋駅と西船橋駅、市川の市川駅と本八幡駅は総武各停の隣駅だが、松戸駅と東松戸駅は乗り換えが必須で、両ルートの所要時間はいずれも概ね16~20分、時間帯によっては20分を超える。

 松戸駅を最寄り駅とする住民は多く、駅から2km前後離れたエリアでは、

「駅までバスでアクセスする人」

も一定数いる。その層にとって、東松戸駅はドアtoドアで60分かかる遠い駅だ。松戸駅と東松戸駅の間には路線バスもあるが、定時運行でも鉄道より時間がかかる。渋滞のリスクもあり、忙しい朝には向かない。

 したがって、松戸駅から東松戸駅経由で羽田空港に行くよりも、多くの時間帯では直接品川駅に出て京急に乗り換えたほうが早い。北総線で接続する日本橋、新橋、東銀座へも、直接都心に出て乗り換えた方が概してスムーズである。松戸駅周辺の住民に限らず、多くの住民にとって東松戸駅を経由する利点は、成田空港に向かう場合など極めて限定的である。

 加えて、北総線は運賃が高いというデメリットもある。長年

「日本で最も高い水準の運賃」

といわれてきた北総線は、2022年10月に値下げされたが、JRや地下鉄経由に比べると相対的に割高なケースが多い。松戸駅と東松戸駅の中間に住む人にとっても迷うポイントだ。

 例えば、東松戸駅から新橋に行く場合、北総線から都営浅草線に直通するルートより、武蔵野線・常磐線経由で松戸駅を通って都心に回り込む方が安くなる場合もある。離れたハブ駅は広域の人々に都心までの足を提供するメリットがあるが、両駅の恩恵に預かれる人は少なく、

「便利そうで今ひとつ」

という印象が残る。

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