「置き配」が普及しても、再配達は増加! 宅配業者に強いてきた功罪を今こそ再考すべきだ

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「置き配」が進んでいるにもかかわらず、宅配便の再配達率が増加している。いったいなぜなのか。

「マイカー車内」などへの置き配も

「EAZY」のウェブサイト(画像:ヤマト運輸)
「EAZY」のウェブサイト(画像:ヤマト運輸)

 この置き配の「危うさ」解決に向けて、ヤマト運輸(東京都中央区)が取り組みを行っている。

 同社は「EAZY」というEC事業向けサービスを展開しており、メルカリやZOZOTOWN、LOHACO、ニッセンなどに導入している。サービスのユーザーは荷物の受け取り方法を簡単に変更できるため、活用機会は豊富だ。最近では、タレントのマツコ・デラックスさんのCMが記憶に新しいだろう。

 このEAZYで始まるひとつ目の取り組みが

「オートロック付きマンションに対応の玄関前置き配」

で、その仕組みは次の通りだ。

・荷物の受け取り側が事前にオートロックの解錠許可
・エントランスのオートロックにワンタイムパスワードを付与
・配達時のみ、ドライバーがオートロックを解除できる

 サービスは2022年3月28日、東京都練馬区・豊島区・板橋区の一部のマンションから開始されている。年内には、エリアと連動できるオートロックセキュリティーを拡大していくという。

 またEAZY内のふたつ目の取り組みとして、

「マイカー車内への置き配」

もトヨタユーザーにより実証実験が行われている。

 仕組みはマンションのオートロックと同じであり、いずれもデジタルキー技術を活用。トランクや助手席、後部座席が指定可能で、マイカーが宅配ボックスの代わりになる。

 実は車内への置き配は2018年、米Amazonで既に実用化された過去がある。アメリカでの実用化にそぐわなかったのか、現在はサービスが一時停止され、代わる選択肢としてガレージの電動シャッター内への置き配が始まった。後れをとって日本でも検討され始めた形だ。

これらが本格的に始動し、普及されれば、

・雨濡れ
・盗難

などの不安が回避できるだろう。

 ちなみに配達証明として、置き配された様子が登録したメールアドレスに写真で届く運用も行われている。盗難のリスクがなくなれば、「荷物が届かなかった」という声は減るはずだ。

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