日韓ショートクルーズが映す“対馬経済”の実態! 「韓国人観光客依存」と人口減少が浮かび上がらせる島の課題とは
韓国・釜山と対馬を結ぶ高速船の再開で、対馬の韓国人観光客数は年19万人に回復した。人口2.5万人の離島経済は、江戸時代の朝鮮通信使以来、日韓交流に大きく依存しており、現代も国境の島の生き残りを映す。
離島経済の不安定化
2019年、日韓関係が悪化すると、対馬を訪れる韓国人観光客は急減した。それに追い打ちをかけるようにコロナ禍が襲った。予約が困難だった釜山~対馬航路の高速船も減便され、ついに全面運休となった。韓国人向けの商売に携わっていた観光・宿泊関連施設の多くは閉業を余儀なくされた。
短い滞在ではあったが、厳原で韓国人観光客向けの商売に従事する島民の声をいくつか拾うことができた。対馬~釜山便が復活したのは2023年早春である。尹錫悦大統領の下で日韓関係は改善し始めた。しかし昨年末、非常戒厳令の責任を問われた尹錫悦は2025年罷免された。新しい大統領には、かつて反日的な発言が目立った李在明が就任した。
島民のひとりは「韓国の大統領が李在明さんに代わって心配した」と語った。「対馬のためには親日の尹さんのほうがよかったのに…」と続けた。
韓国では大統領が交代すると、政策が一変することが多い。文在寅政権は慰安婦問題の日韓合意を反故にした例もある。李在明政権発足直後、筆者が耳にしたような不安を抱いた島民も少なくなかっただろう。しかし予想に反し、新大統領は現実路線を取り、対日協力を進めていることに胸をなでおろす人も多い。
沖縄のように日本人観光客が押し寄せることはなく、人口の空洞化も進む対馬。
「対馬厳原港まつりの協賛企業は例年50~60社あったが、今年は10社のみ」
という話も聞いた。対馬経済の衰退ぶりがここにも表れている。韓国が経済的な頼みの綱となる対馬は、そのジェットコースターのような政治状況に翻弄され続けてきたのである。