日韓ショートクルーズが映す“対馬経済”の実態! 「韓国人観光客依存」と人口減少が浮かび上がらせる島の課題とは

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韓国・釜山と対馬を結ぶ高速船の再開で、対馬の韓国人観光客数は年19万人に回復した。人口2.5万人の離島経済は、江戸時代の朝鮮通信使以来、日韓交流に大きく依存しており、現代も国境の島の生き残りを映す。

韓国人支える高速船

 釜山到着の翌朝、釜山港国際旅客船ターミナルに再びやってきた。目的はパンスター対馬リンクに乗ることだった。同船はかつて韓国の他社が運航していた対馬航路に就航していた。しかし、2019年の日韓関係悪化と2020年のコロナ禍で航路は廃止され、船も活躍の場を失った。

 パンスターはこれを購入し、2023年2月に再開された対馬航路に進出した。就航当初は釜山と対馬北部の比田勝のみを結んでいたが、2024年には対馬の中心都市・厳原便を週2回(月・水)運航するようになった。

 かつて対馬航路の高速船は「予約が非常に困難」といわれるほど慢性的に満船だった。しかし、航路再開直後は以前の数字に戻らなかった。コロナ禍前の2019年、対馬における国際航路入国者数は韓国国籍26万人、日本国籍2000人、その他国籍2000人だった。これに対し2024年は韓国19万人、日本1600人、その他1600人と減少した。

 しかし7月末に乗船した厳原便はほぼ満船だった(パンスター対馬リンクの定員は425名)。夏休み期間であったことも影響しただろう。乗客は筆者以外全員韓国人である。韓国人にとって対馬は「日帰りでも行ける外国(日本)」で、比田勝までの片道料金は1万円足らずと安価だ。高速船を利用した「1泊2日対馬ツアー」も企画され、老若男女問わず人気を集めている。

 釜山~比田勝にはパンスターのほかに、韓国スターラインの高速船「NINA」が就航している。別の韓国船社の参入も予想され、対馬への韓国人訪問者はさらに増える見込みだ。

 対照的に、日本人の利用は極めて少ない。対馬島民向けの割引設定もあるが、20254月1日から7月31日までの4か月間に利用した島民は202人に過ぎなかった。対馬航路は完全に韓国人の「入超」である。

 9時前、パンスター対馬リンクは釜山港を出航した。70分後には比田勝港に到着し、乗客の約半数が下船した。対馬海峡は海況が荒く、韓国人でも船酔いを懸念することがある。そのため、1時間ちょっとで到着する比田勝便は重宝されるという。この日の海は穏やかで、比田勝まで船が大きく揺れることはなかった。

 比田勝を出航すると、初めて船が左右に激しく揺れたが数分で落ち着いた。右手に対馬の険しい海岸線を眺めながら厳原港に到着した。釜山港を出てから2時間30分も経っていなかった。

 厳原港の入国審査場には韓国人の長い列ができていた。しかし筆者が日本のパスポートを示すと、優先的に入国審査を受けられた。係員もこの「日本人にとってアウェー」の光景には慣れている様子だった。珍しがられることもなく、パスポートには「帰国 IZUHARA」のスタンプが押された。

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